「小瀬さんとこんな所で会うなんて、びっくりだ。」


笑顔の塚本くん。


「うん、そうだね。
私も塚本くんと同じだよ。」


「名前知ってたんだ。
卒業式の日、知らないのかと思った。」


塚本くんうれしそう。


でも、知らなかったんです。


ごめんなさい、塚本くん。

同級生の名前も知らないなんて。


名前どころか、卒業式のあの時まで、まったくあなたを知りませんでした。


ちょっと私ひどくない?


でもひどいと言えば、卒業式のあの時、手なかなか離してくれなくて、あと赤くなったんだ。


ひどいよね。


怒っていいよね。


「名前は知らなくて、清水くんに教えてもらったんだ。」


「へぇー、清水がねぇ。」


あっなんか嫌ないい方。


清水くんもにらんで返事しない。


「塚本くん、あの時手離してくれなかったから、あと赤くなったんだから。」


「ふうーん、いいね。
俺のあとついたんだ。
もっとつけたいね。」


なに?


ここは『あとつけてごめん。痛かったよな。』とかじゃないの?


今、謝る所だよね?