とりあえず、もう一回お礼言ってみようかな。


「えっと、私はうれしかったよ。
知らなかったから。
清水くんのおかげで名前わかって、これで高校の入学式で会っても困らないし。
ありがとう清水くん。」


お礼を言う私を、じっと見つめる清水くん。


「塚本の事、そんなに気になってたの?」


「気になってたって言うか、あの時、手を離してって言っても離してくれないし。
誰か知りたかったんだ。」


「好きなの?」


「はっ?」


えっと、考えろ私。


意味はわかんないけど、話の流れを考えれば、私が塚本くんの事好きかどうか聞いてるんだよね。


なんでそんな話なのかは、まったくわかんないけど。

「好きとか嫌いとかわからないよ。
話たの卒業式の日だけだし。
あれは話したとは言わないかな。
会話になってなかったし。
今の印象は、あの時手を離してくれなかったから、あんまりよくないよ。」


「じゃあ、好きにならない?」


「どうだろう?
高校一緒だから、これから話す機会もあるだろうし。
話したら、意外にいい人って事もあるよね。」


もしかしたら、高校で友達になれるかもしれないしね。