追いかければよかった?
もっとちゃんと伝えてればよかった?
わかんないよ
呆然と立ち尽くすあたしに、
「かすみ?」
声をかけてきたのははる君。
「どした?こんなとこで」
「…ねえ、あたしに言いたいことって、そうたのことじゃないんでしょう?」
「…んー、まぁ」
はる君が何を言うのかは、はっきりしないけど、颯太のことじゃないなら……。
「はる君、やっぱりカフェ、行こうよ」
「…いいけど…急にどした?」
ただ、この気分を少しでも紛らわせたいだけ。
「なんとなく…」
「ははっ。相変わらずつかめねーな」
笑うはる君に手をひかれ、半分放心状態で学校を出た。
カフェまでの道、
「かすみ…ほんとはなんかあったんだろ?」
そうきかれて、
「…気にしないで」
としか言えなかった。
そしてはる君はそれ以上なにも言わなかった。

