ぎゅっと、颯太の腰に回した腕に力を入れる。


「‥‥‥かすみ?」


あなたの優しい声。


「ねえ、そうた?あたし‥‥、」


蜻蛉が頬をかすめた。


「――‥やっぱりなんでもない」


“友達”


それでもいい。


十分、幸せだよね?


そう自分に言い聞かせた。