お腹いっぱいになると、そのまま私たちは駅へと歩き出した。
「あのさ、さっき何て言おうとしてた?」
「さっき?」
「ほら、映画の話してて、突然恋人と別れたら、次の恋に進めるかって話」
「あぁ、きっとその人のこと忘れることはできないだろうけど、その人はその人だから、もしその人とは別に好きな人ができても、そのことをその人はきっとわかってくれると信じるかな」
「わかってくれると信じる」
「ほら、今日の映画の子は、恋人が亡くなってるでしょ?」
私たちが観た映画の主人公は、恋人と死別している。
「亡くなった人の気持ちは聞けないから、わからないけど、その人は新しい恋人ができても、『なんでだよ!』って言わないと思うんだ。確かに、切ない気持ちになるかも知れない。でも、それ以上にきっと大切な人の幸せを願ってるはずだから、応援してくれると思う。私は、そういう風に信じたい人かな」
すると、突然雄大が立ち止まり、いつかの私たちと逆のようになった。
私は、隣から雄大がいなくなって、慌てて後ろを振り返った。
「雄大?」
「麗菜に、聞いてほしい話があるんだ」
「えっ?」
私は、少し怖くなった。なぜなら、その時の雄大の目がとても切なそうな目をしていたから。
