花火☆letter



「突然、現れたんだ。俺の前に・・・」


『誰が?』


サユリは、俺の話を聞いてくれた。



「凛花に、顔も声も似すぎなくらいの子が・・・

俺の前に突然現れたんだ」


『うん』


「ただ、似ているだけじゃない。怖いぐらい、似過ぎなんだよ。

それに・・・」


この話をしながら、気づけばなぜか、俺の目から涙が静かに溢れていた。



「それに・・・彼女、あの曲を弾くんだ」


『あの曲?』


「覚えてないか?ほら、凛花がよく音楽準備室で弾いてた曲」


『もしかして・・・月の光?』


「俺のバイト先に、ピアノの演奏者として、アルバイトに来てる子なんだけど、

その子、その曲弾いてたんだ。今でも、その曲弾いてるんだけど、その曲聴くたびに、あの頃の凛花を思い出すんだ」


『そんなに、凛花と同じなんだ』


すると、サユリは少し考えてから再び俺に言った。


『雄大?さっきも言ったけど、凛花は凛花だよ』


「わかってる・・・」


『じゃあ、どうするべきかもわかるんじゃない?』


「えっ?」


『その子は、凛花じゃない。それだけは、言える』


「サユリ・・・」


『それに、もしその子に凛花を重ねてるんだったら、その気持ちは違うと思う。

だけど、その子自身を見て、雄大が何かを感じているなら、その気持ちに素直になってほしいと思う。

それは、凛花も同じだと私は信じてる。

さっきも言ったけど、凛花は雄大を本当に大切に思ってたから、誰よりも雄大の幸せを願っているはず』


「サンキュー、サユリに話してよかったよ。

じゃあ、また」


俺は、電話を切った。


そして、そのまま流した涙を拭った。