バイトを終えて、麗菜と一緒に帰っている途中、2度俺のスマホが鳴った。
相手は、どちらとも同じ相手だった。
2度目にスマホが鳴る前、横を歩いていた麗菜を突然見失い、慌てて後ろを振り返った。
「うん?どうした?」
「あのさ・・・」
何かを言いたそうな彼女に向かって、俺はゆっくり歩いて行った。
「うん?どうした?」
「あの・・・」
その時だった。
♫ブブブーブー
俺のスマホが鳴った。
「ほら、出なよ!彼女からだよ!じゃあ、お疲れ!」
「おい!麗菜!」
俺が叫んでも、彼女は止まることなく、そのまま駅へと一人向かって行った。
俺は、そんな彼女を目で追いながら、電話に出た。
「もしもし?」
『あっ、やっと出た!』
「悪い、サユリ!今、バイトの帰りなんだ。
家に着いたら、また連絡するから」
俺はそう言って、電話をすぐに切った。
電話の相手は、中学の頃の同級生サユリだ。
