花火☆letter


「昔から好きな曲だから」


雄大が困っている間に、私は答えた。


「物心ついた時から、この曲よく流れてて、いつか自分も弾けるようになるんだって思って、小さい頃から練習してたの。

そしたら、いつの間にか、練習曲のように、何かを弾く前に、必ずこの曲弾くようになって、いつの間にか一番弾ける曲になったの」


「一番弾ける曲・・・」


「私元々、ピアノ専攻じゃないから、そこまでピアノも得意じゃないし」


「あっ、そういえば、そんなことも言ってたな。

てか、専門?麗菜の専門って何?」


「バイオリン」


「えっ!?バイオリン??」


「そんなに驚くこと?」


「だって、バイオリン持っているところ見たことないから」


「それは、バイトに持ってきたら邪魔になるから、いつも置いてきてる」


「大学から、直接バイト先に来ることねぇの?」


「今のところ、いつも家から来てるね」


「へぇ〜」


「何?」


「いや、あんま想像できないからさ。

麗菜がバイオリン弾いてるところ」


「あっ、見せないよ!見たかったら、お金払ってよ」


冗談で言うと、雄大も笑いながら言った。


「誰も頼んでねぇーよ!」


私たちは、こうやって冗談言い合いながら、ロッカールームに向かった。


雄大は、喋りやすくて、面白い人。

気づいたら、冗談も言い合える仲になっていた。


だけど、ただそれだけだった。