「それで?雄大は、一人暮らし?」
「あっ、うん」
「そっか。地元は?」
「九州」
「へぇ〜、めっちゃ遠いところから上京してきたんだね」
「そっちは?ずっと、東京?」
「うん。生まれた時からずっと東京」
そうだ。凛花なはずがない。
彼女は、ただ凛花に似ている子にすぎない。
だけど・・・
だけど・・・
「雄大?」
「えっ?」
気づくと、彼女が俺の顔を覗き込んでいた。
そして、優しく微笑みながら言った。
「いいよ」
「えっ?」
「呼び方、呼びやすい呼び方で。
それと、もし『雄大』って呼ばれるのが嫌だったら、『佐武くん』とか、やっぱり『佐武さん』でもいいし」
俺から言っておきながら、彼女に変な気を遣わせてしまった。
彼女には、きっと今の俺の気持ちは見透かされている気がした。
彼女に『雄大』と呼ばれるだけで、胸が苦しくなる。
彼女に凛花を重ねてしまうんだ。
でも、彼女は凛花じゃない。
凛花は凛花、彼女は彼女だ。
ただ、似ているだけ。
