数分後、休憩室に彼がやってきた。
「休憩入ります」
「お疲れ様です」
「お疲れ」
先に、休憩をもらっていた私は、いただいたまかないをあと少しで食べ上げるところだった。
「今日のまかないは、パスタか・・・」
私の皿を少し覗いて、彼はそう言った。
「佐武さんって、ここ以外にもいろんなバイトしているですか?」
「えっ?」
「あっ、いや、ほら、この間は居酒屋で・・・」
「あぁ・・・ここと居酒屋の2つだけだよ」
「そうなんですね・・・」
話が途切れる。
そんな中、彼はまかないを持って、私の前に座った。
「晴人の・・・」
「えっ?」
今度は、彼から話しかけてきた。
「あっ、いや・・・晴人の同級生だったよね?高校の」
「あっ、はい」
「ってことは、俺らタメだよね?」
「そう・・・ですね」
「じゃあ、敬語じゃなくていいよ」
「えっ?」
「同い年じゃん」
そう言いながら、まかないのパスタを口に運んだ彼。
「でも、バイトの先輩だし・・・」
「そこ関係ないよ」と言って、彼は笑った。
その姿を思わずじっと見てしまった。
そんな私に気づいて、彼は突然口の周りを慌てて触り出した。
「何?なんか付いてる?」
慌てる彼を見て、私は思わず吹き出してしまった。
「プッ・・・ははは」
「えっ?」
「ごめんなさい。初めて見たから」
「えっ?」
「佐武さんの笑った顔」
いつも寂しそうな顔だったから。
こんなに笑うんだと、純粋にびっくりしたのだ。
