花火☆letter


ピアノ演奏のバイトを始め、1ヶ月が経とうとしていた時、突然店長にお願いをされ、昼間のバイトも手伝うことになった。


急にバイトが辞めて、新しい子が入るまでの繋ぎでいいと言われ、時間が許す限り手伝うことにした。


今日は、お昼のバイト初日。


「神岡さん、本当ごめんね。助かる。

えっと、今日のシフトは・・・」


店長がシフトを確認していると


「お疲れ様です」


「おっ、佐武くん!いいところに!」


彼がやってきた。


「今日から、神岡さんにも手伝ってもらうことにしたから。

悪いけど、今日は佐武くんが仕事教えてあげて」


「えっ?俺っすか?」


「時任さんが急に休みになっちゃって、本当だったら、彼女にお願いするつもりだったんだけど。

急に悪いけど、頼むね」


そう言って、店長は私たちを残して去って行った。


「あっ、よろしくお願いします」


「あっ、こちらこそ」


ぎこちない挨拶を交わして、早速仕事を教えてもらうことに。


少し気まずそうな雰囲気を持っている彼に、仕事を教えてもらううちに、彼のさりげない優しさを感じた。


困っている私の姿を見つけると、すぐフォローに入ってくれる。


そして、彼の接客は相手への思いやりをすごく感じる。


「ありがとうございました。お気をつけて。また、お待ちしています」


お会計が済むと、すぐにドアを開け、優しくお客様に声をかけ、最後まで見送る。

そんなちょっとした気遣いが、お客様を笑顔にする。


「あっ、神岡さん?先に休憩どうぞ」

お客さんを見送った彼が、私のところに来てそう言った。


「あっ、はい。ありがとうございます」


伝え終わると、またすぐ自分の仕事に戻る彼。


私は、そんな彼をそっと見つめ、そのまま休憩室へ向かった。