時任さんとの挨拶を済ませ、隣の彼に目をやった。
「あっ、佐武です。佐武雄大です。よろしくお願いします」
「晴人の大学の友達ですよね?」
「晴人?」
時任さんがまた不思議そうに私たちを見た。
「私の高校の同級生の友達なんです」
「へぇ〜、世間は狭いね」
時任さんがそう笑って言った。
「本当に」
私も笑顔で返したけど、彼はそれ以上何も言わなかった。
彼のことは、覚えている。
だって、初めて会った時、じっと私を見ていた。
自意識過剰かと自分でも思ったけど、何度も彼と目が合う。
でも、私のことが気になるとかそういうのではないということも、なんとなくわかる。
だって、私を見る彼の視線は、明らか私を見ながら、私ではない人を見ているかのようだった。
そして、何より、私を見て、誰か違う人の名前を囁いていた。
なんて言っていたかは、私にも聞き取れなかったが・・・
そして、私を見る彼の目は、いつも同じ目をしていた。
それは、今にも涙が溢れてきそうと思うほどの、寂しそうな目。
そんな彼のことが、私は少しに気になっていた。
