花火☆letter


時任さんとの挨拶を済ませ、隣の彼に目をやった。


「あっ、佐武です。佐武雄大です。よろしくお願いします」


「晴人の大学の友達ですよね?」


「晴人?」

時任さんがまた不思議そうに私たちを見た。


「私の高校の同級生の友達なんです」


「へぇ〜、世間は狭いね」


時任さんがそう笑って言った。


「本当に」


私も笑顔で返したけど、彼はそれ以上何も言わなかった。


彼のことは、覚えている。


だって、初めて会った時、じっと私を見ていた。


自意識過剰かと自分でも思ったけど、何度も彼と目が合う。


でも、私のことが気になるとかそういうのではないということも、なんとなくわかる。


だって、私を見る彼の視線は、明らか私を見ながら、私ではない人を見ているかのようだった。


そして、何より、私を見て、誰か違う人の名前を囁いていた。


なんて言っていたかは、私にも聞き取れなかったが・・・


そして、私を見る彼の目は、いつも同じ目をしていた。


それは、今にも涙が溢れてきそうと思うほどの、寂しそうな目。


そんな彼のことが、私は少しに気になっていた。