花火☆letter



「お待たせ!面接終わったよ!」


店長が厨房に俺たちを呼びにきた。


「店長、演奏者決まりそうですか?」


時任さんが店長に尋ねた。


「うん、最後に来た子が演奏も条件もいいから、採用しようかと思ってる」


「ああ、最後に来た大学生の子ですね。

可愛らしい子でしたね」


「時任さん、見たんですか?」


俺は思わず時任さんに尋ねてしまった。


「うん。来た時、私が対応したの。

音大生って言ってましたね」


「音大生」


「ああ、ピアノ専攻じゃないとは言っていたけど。

でも、あれだけ弾けてたら問題ないだろ。

さあさあ、仕事仕事!」


店長に促され、俺たちは仕事に戻った。


俺は、その子が弾いた『月の光』がどうしても耳から離れなかった。