「中学3年までの凛花しか知らなかったのに・・・
麗菜に初めて会った時、本当に驚いたんだ」
「私が・・・その子と似てたから?」
雄大が言う前に、自分で答えた。
「似てるってもんじゃない。凛花が生き返ったのかと思うぐらい、顔も声も凛花だった。
だから、麗菜のこと見るの最初は辛かったんだ」
気づいたら、私の目に涙が溜まっていた。
「ド●ュッシーの『月の光』も、知っていたのは、凛花がいつも弾いていたからなんだ。
俺は・・・」
その時気づいた。
涙が溢れそうなのは、私だけではなかった。
一生懸命話す雄大の目にも涙が今にもこぼれ落ちそうだった。
「雄大・・・」
「凛花のことが忘れらなくて・・・ずっと忘れられなくて・・・
凛花に会いたかったんだ・・・今も会いたいって・・・」
次の瞬間、雄大の目から涙がこぼれ落ちた。
そして、私はそっと手を伸ばし、気づいたら雄大を抱きしめていた。
「忘なくていいじゃん」
「えっ・・・」
「忘れる必要ないじゃん!凛花さんのこと、忘れる必要ないよ」
ずっと知りたかったこと。
雄大は私を見ながら、誰を思っていたのかと
私はずっと知りたかった。
その人が誰だったのか、やっとわかった。
【凛花さん】
雄大の幼馴染で、中学の頃の恋人。
そして、今はもうこの世にはいない人。
好きで別れた人ではない、雄大の大切な人。
知りたかったことだけど・・・
あまりにも辛い真実だった。
