Better half

「うん…ありがと」
何だか、くすぐったい。
照れる。

“このぉ”と
ユウにおでこを軽く押された。

「ほーらっ、栄祐くんトイレから出てきたよ」

「うっうん」
本当は、今、こっちに歩いてくる栄祐を見つめたいけれど、私はメニューをもう一度見るフリをした。


刹那

テーブルを挟んで、私の前の椅子が、ズズズと音をたてる。

栄祐が座った。

私は、栄祐にメニューを渡して、彼の黒い瞳を見た。
「ユウと私は決まったよ。」

彼の視線がメニューに向く。

「どれにしたの?」

「「特製大漁丼♪」」

栄祐の質問に、ユウと私がハモる。

そんな私達にプフッと笑う栄祐。

「ハモるなよ」

「「ふははっ」」

ユウと思わず顔を見合わせて、笑ってしまう。