Better half

 トイレを済まし、栄祐と入れかわりで、ユウの隣の椅子に座った。

「ユキンコォ、すっごく美味しそうだよぉ」

ユウはそう言いながら、見ているメニュー表を、私の方へスライドさせた。

六種類の海鮮丼の写真。

私は、目的の品を指した。
「あーっ、私、これこれっ!」

ユウと私は、食の好みも合う。

ユウも迷わず、

「私も、それっ」

と言って、出されてる水を飲んだ。

注文の品は決まったところで…

「ねぇ、さっき、栄祐が私の事、何か言ってたでしょう?」

やっぱり気になるしね。

「えっ?」
惚けた感じのユウ。

「トイレに行く時に、ゆきって聞こえたし!」
私も水を飲む。

「あっ…あぁ、聞こえてた?心配しなくていいよ。“由記が、いつも世話かけてるね”って言ってたよ」