「あぁいたよ。こうやって一緒に、ね。」

なんだかムカッときた。
-私以外の子と太陽に行ったんだ。
私だけじゃない…私が初めてじゃない…。

「かのんだけっていうわけにはいかないよ。
行きたい子は誰でも連れてってあげたい。」

その言葉は確かにわかる。わかるけど…

「私だけじゃなきゃイヤ?」

シュガーの灰色の瞳が私を覗く。

-…よくわかんない。

私はたぶん、誰にも味わえないことを経験したいんだ。
自分だけの宝物って思えるものが欲しい。

「太陽に行ったらきっと、かのんが味わった気持ちをみんなに話したくなるよ。
だって特別なことを人に話してみんながワクワクする顔を見たくなるはずだからね。」