「俺たちはもっと自分の心音に素直に耳を傾いた方がよさそうだ。」

シュガーが言った。

「うん…ごめん。」

なぜか私は謝った。

いままでなら謝ることなんてないし、ふてくされたままだったろう。

-素直、か…。


素直になるのは難しいけど、そう生きられれば楽な気がする。

「かのんは素直だよ。そのままで大丈夫。」

太陽に近づき、手が透けて見えだしたとき、シュガーは言った。


-そのままで、大丈夫。