「ほーら怒られちゃったじゃん。じゃあ勉強の続きするよー?」

「はーい……」



静かな図書室で駄々をこねる癒子の声と彩音の勉強を教えている声が響く。




  ***



「って事。もう分かったでしょ?」

「ぉぉっ!!なるほど!!ありがと彩音ちゃん!!」

「当たり前の事をしたまでよっ」


彩音と癒子の勉強会は5時に終わった、まだ部活動はやっている時間帯だ。空は夏のせいかまだ明るい。冬だと真っ暗なのに。



図書室を出て下駄箱まで彩音と迎う。


「んじゃ私まだ時間あるから部活行って来るね。癒子ばーいばい」
「うぉー、いってらー!!」


彩音はテニス部だ。スタイル抜群でマドンナ的存在の彩音は部活になるとヒラヒラのスカートをはくため、男子が修羅場となる。




「いいよなー……彩音ちゃんは。成績良いし、綺麗だしー」


空を眺めながらトボトボと足を運ばせる。自転車置き場で自分の自転車見つけると前籠に自分の荷物を乗せ、自転車の鍵をあけ。自転車に乗った。


暑くて汗をかいた体を風が冷やしてくれる。だから自転車は大好き。



家までは遠くてバスで行った方が早いのだが、わざわざ自転車にしている。




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