~巧真 side~

怒ったよな・・・。
完全に・・・。

どうすりゃいいんだよ。

「いかねぇの?」

その声の持ち主は
さっきこころが聞いてた奴。

大樹。

「なんだよ。大樹。」

「だから、追いかけねぇの?」

「行ってもどうせ・・・。」

「じゃあ、俺が行く。
前から思ってたんだ。
巧真は間違ってるって・・・。
大体、付き合ってんのに
相手にされなかったら誰だって
悪い方向に考えるだろ。
少しは考えろよ。」

俺の中で何かが切れた。

「考えたから
こうなったんだよ!
理性が切れたらこころに何するか
わかんねぇ。
だから、近づかなかった。」

「だから?」

「はぁ!?」

「お前は、自分のことしか
考えてない。」

「考えてるっつてんだろ!?」

「結局、相手の為って言ってるけど
自分が嫌われるのが怖いだけだろ?
こころチャンは、傷ついたんだよ。



それが癒せるのは

お前だけじゃないのか?
巧真。」