暗い道を、懐中電灯の灯りだけを頼りに歩く

先輩の服の裾を掴んでいる手が汗ばむ

怖いとか言う感情よりも、今は緊張で何も考えられない

心臓がバクバクなってる

こんなの初めてだよ。


先輩といると、初めての事ばかりで、自分が自分じゃないみたい…


「あ…気をつけろよ!そこ段差が…」


「きゃあ!!!」


ガクンと足がひっかかる
やばい…こける!


「あぶね…!」


ギュッと目を瞑る!

すると突然フワッとした感触が。


「ん…?」


目をゆっくり開けると目の前には先輩の胸が。


ええー!!!!
何この体制…!


私は今、先輩の腕の中。

どうやら転けそうになった私を、先輩が瞬時にキャッチしてくれたんだ。

ドキドキと心拍数があがる。


「大丈夫か?」


「はっ…はい!」


先輩はホッとした顔をしてゆっくり離れる

最近思う。
私欲張りになった…