「もうすぐだな…大会。」


「はい…ですね…」


うつむき加減になり砂をいじる先輩

いい感じにザザーンって波が打ってる


「今年は皆頑張ってくれてるし、3年にとっては最後だ…な」


ん?なんか先輩…


「もしかして…不安なんですか?」

一瞬先輩の肩がビクついたのを私は見逃さなかった。


そうだよね…
いつも冷静で、頑張り屋の健人先輩。

けど不安になる事だってあるよね…


「俺は…仲間を疑うような事はしたくない。けど…自分自身を…信じる事ができないんだ…情けないよな」


なんだか…いつもは逞しい先輩の背中が
いつもより小さく感じた…

どうしよう、私なんて言ったらいいかわかんないや…

でも…


「先輩は情けなくなんかないです。先輩が自分を信じれなくても…私は先輩を信じてます。勝ってくれる、とかそうゆう信じるじゃなくて…やってくれるんじゃないか、って!」


私がそう言うと、先輩は急に背筋をのばし私の方をみた。


「俺もまだまだだな。お前に助けられるなんて」

「部員達も頑張ってますからね…だから先輩も気を抜いちゃダメですよ!」


一番頑張っているあなたを…
一番応援してるから…