2人は頷いてくれたが、その時だった。


由実が、転んでしまったのだ。



「由実ちゃん、大丈夫!?」

私達は、由実の所へ駆け寄って一旦、足を止めてしまった。


「ごめんなさい…私は大丈夫ですけど」


【ジャリッ……】


背後から、砂を踏み潰す音が聞こえて、私達は同時に振り返った。



「琉菜…逃げるの早いなぁ…ククク…」


ニヤリと気持ち悪い笑顔で、私を見つめる洋介の顔が歪んでいた。