「花菜、どうして?俺達、うまくいってるじゃん。」



泣き声に変わる彼。



「なぁ、どうしてだよ?こんなに俺が優しくしてやってんのに、まだ足りないか?」



優しくされたのなんて、付き合い始めた当時だけ。




「どうして?」


「やめて!!」




バシッ!!



「貴方、何度も同じこと繰り返してるじゃないっ!!あたしはもう耐えられない。服もこれ一枚。下着も、靴下も全部!!どうしてこんなに苦しまなきゃなんないのよっ!?でていく!!」



死ぬ覚悟は、何度もしてたから。


彼の最後くらい本当のことを言ってやりたかった。




「花菜、待てよ。なあ…」



伸びる手。


力が強すぎて、振りほどくことができない。