☆恋愛さらだ☆

『うん…。』



不安になりながらも、彼とキッチンへ向かう。



「花菜、冷蔵庫からキャベツとって?」


『え…?あ、はい。』





普通な彼。

昔のような笑顔でキャベツを刻んでいく。




悠馬も本当は、最初からこうやってしたかったのかな?




そう想いながら、あたしは彼の背中をボーッと見つめた。




「花菜も手伝えよっ。」



初めて見る彼の表情。


ほんの数分前までの彼は、どこかへ消えてしまったかのように。



彼は、あたしの手を優しく握った。