私とレンは、二階に上がった。

いったい、どこにレンをおいたらいいのか。

一応、お母さんは喜んでOKしてもらったものの、レンの部屋を考えるのを忘れていた。

「ここが、私の部屋。それで、そこはお母さんの部屋。そこがトイレ。」

「お父さんは?」

説明していると、レンに痛いところを突かれた。

「お父さんは・・・。私が小学生の時に、離婚してどこにいるかわからないの。もう、ずっと昔の事なんだけどね。」

私は、お父さんとは辛い過去がある。

「そうか。変な事聞いちゃって、ごめんな。」

レンは、優しい声でそういった。なんだか、すっごく優しい。

「じゃあ、あいてる部屋は、ここしか・・・・。」

私は、小さな物置部屋の前に立った。

もう、全然使っていない、かなり汚い部屋だ。

「ここでいい。うん。上等だ。」

レンは、山積みにされた布団の上に座った。

「なんか、汚い部屋でごめんね。じゃあ、着替えとかはぁ・・・」

「買い物に行く。一緒に来い。」