「ただいまー。」

「おかえりなさい。あれ、優菜!もしかして彼氏!?!?」

お母さんは、いちはやく後ろに立っている男の存在に気づいた。

「ち、ちがうってー。ゴミ捨て場にいたの。」

「はぁ?ゴミ捨て場にいるってー?まぁ、いいわ。そんなびしょ濡れで、可哀想に。ハンバーグ作ってあげるから、入りなさい。」

予想通り、お母さんは優しく家に引き入れた。

彼が顔を見せると、お母さんははっと目を見開いた。

「まぁ、なんて・・・。」

やっぱり、お母さんもこの美貌の青少年にときめいてしまったようだ。

お母さんは、なんだかうれしそうにキッチンへ入っていった。

「あなた、名前はなんていうの?私は、岩野優菜!高校1年生なんだ!」

私ははにかんだ。

「俺は、レン・・・。」

ぼそりとつぶやいた。

きっと、人見知りしているのかな。

「レンっていうんだ。素敵な名前だね!」

「ありがとう。」

レンは、ちょっと笑った。

その笑顔が、眩しくて、眩しすぎた。