また、目を覚ますと泣いていた。

何かに縛られているように、ほぼ毎日同じ夢を見ている。

もう悲しいとか苦しいっていう感覚は麻痺してなくなってきていると思っていた。

けれど、感覚と気持ちはどうやら別物らしい。

私は涙を拭って、重い身体を起こした。

頭はまだぼんやりりしていたけれど、夢に出てきたハルの笑顔だけがはっきりと脳裏をよぎる。


「起きたの?」


隣に眠っていた雄一が目をこすりながら起き上がった。


「ごめん、起こした?」


「いや、俺さっきベッド入ったばっかだったし。課題やってたから……凛…大丈夫か?」


雄一は私が泣いていたことに気づいて、親指で優しく左の目頭から目尻をなぞった。

そのまま私を優しく抱きしめ「いいよ、大丈夫」と耳元で囁きながら頭を撫でてくれた。

雄一の胸に顔を埋め、この人はなんて暖かいんだろうと心の中で思った。