カルテを軽く叩きながらいう。





「…小学校1年のときに離婚したんです。
 私が父、藍が母に引き取られて。」



冷静に、目を瞑って話す梓。






「…そうか…。」





確かに、藍は以前“一人っ子なんだよね-”
と悲しそうな顔をしながら言った。




-あの時は。



きっと、一人っ子っていうのが寂しくて
悲しい顔をしたんだと思ってた。



でも、今なら分かるかもしれない。




もし、本当に梓が。






藍の妹なら…─







私はきっと二人に影で嘲笑われて
いたんだ、きっと、。




きっと。