「芽衣(めい)!!
 まーた藍が女といるよ!!」



そう大声で叫んでこっちにむかって
ドタドタ歩いてくるのは親友の梓。




「梓(あずさ)…。落ち着いて…?」




肩が上下に揺れている梓に
私は呆れながら言う。





「芽衣!!何であんなヤツと
 さっさと別れないの!?」






「落ち着いてって。」


こういう場合は何も答えないのが
一番なんだ。



「も~。芽衣は何時も(いつも)
 同じことばっかり~!!
 甘やかしすぎなんだよ!!
 もーっと藍をしからなきゃ。」





しかるもなにも…。




「ありがとう、梓。
 梓のおかげでいっつも 
 涙とか、苛々とか引っ込む。」