蒼さんは、もう一度あたしに微笑むと、
『…あまりにも脆そうだから』
「脆、い?」
『そ。なんか、見張ってないと消えてしまいそうな感じ』
どういうこと、なんだろうか。
あたしなんか、脆くもなんともない。
ただ、自分自身が弱いだけ。
『…あと、僕に似てるから』
自分を指でくい、っと示しながら蒼さんが言う。
それには、え、と思わず、疑問の言葉が零れる。
優しくて、穏やかな蒼さんと、無愛想で関わりづらいあたし。
どう考えても、似ても似つかないと思う。
むしろ、正反対って言った方が正しい。
似ているはずがない。
蒼さんは、一体、何を言ってるんだろう。
