「…もう、あたしに関わらないで」



真っ直ぐに蒼さんを見据えて、言う。



だって、あたしも一人の方が楽だし、蒼さんだって、あたしと離れた方が気を遣う必要もなくて、楽でしょう?



ほら、お互いに都合がいいじゃない。



「だから、関わら…、」


『それは無理』



あたしの言葉を遮って、蒼さんがぴしゃり、と言い放つ。



「っ、何で、」



何で、そこまであたしに関わろうとするの。


何で、あたしから離れてくれないの。



あたしは、ただ一人で居たいだけなのに。



…何で、何で。



夕暮れ色の君は、こんなあたしにそんな穏やかな顔で笑うの。



あたしが、ひどく汚れた人だって、あまりにもはっきりと分かってしまう。