アリエッティでしょ!

遅刻なのに! 

いや待て。あの人、時計持ってなくて時間がわからないんじゃ……。

「あの……すみません」

ちょいと人見知りな私。 

『どうしたの?って新入生だ!!わぁ〜い!やった〜!』

無邪気だな〜じゃなかった! 

「今、9時45分ですよ!」

『うん。見ればわかるよ!あそこ!』
指を差した方向には………てか目の前に大きな時計あるっ!?

「急がなくて良いんですかっ!?」

『う〜ん。やっぱり急がないとダメかな?ってオレ、速見 優斗(ハヤミ ユウト)!優斗先輩って言ってね!ちなみに高2だよ〜!宜しくね〜!』
可愛い〜和む〜。じゃなくて。

「私は、橋本 柚子(ハシモト ユズ)って言いま…あっ!!」
ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!お腹……痛い!! 
死んじゃう!痛い!アリエッ痛いっ! 

私のお腹が喚いている。 

『やっぱり一緒に急ごうわぁっ!!』
優斗先輩に倒れこんでしまった。