危険を察知した警察がプレハブから飛び出したおかげで春斗は人殺しにならなくてすんだが、俺の動悸は収まらない。

『あっぶねぇ。』

春斗の声に重なるように俺の左横から大きなため息が聞こえてきた。

『はぁ―…』

『あ!?秋斗起きちゃった!?』

『起きるだろう。普通。』

少し機嫌の悪い秋斗さんは髪をかき上げながら、もう少し走ったところの海岸ぞいの駐車場にトラックを止めるように指示した。

春斗はさらにスピードを上げ言われるままに慌てて駐車場に向かう。