フェンス


『だからさ、現実世界に帰ってもこっちの世界ほど大人はいねぇんだ…だから子供がしっかりしねぇとな!』

『うん…』

…突然、春斗がはっとして黙ったと思ったら急に焦りだす。

『…………やべぇ』

俺も顔をあげ春斗の目線の先に目をやると検問が飛び込んできた。

『あいつらが門の外まで追ってこなかったのはコレがあるからか…』

春斗は小さく舌打ちをしてスピードを上げだす。

(ま…まさか…)

ガシャーンッッ―…

トラックは検問のために設置されていたプレハブやパトカーを押しのけそのまま走り抜けた。