フェンス


『うぅ…真優…涼…真奈…待ってくれ…いかないでくれー…』

『おい!!裕!!大丈夫かよ!?』

ハッー…


秋斗さんに腹を叩かれ俺は目を開け周りを見渡した。

どうやら、うなされていたらしい。

びっしゃりと冷や汗をかいていた。


『ふぁー…どうした?大丈夫かぁ?』

あくび混じりの春斗が心配そうに覗き込んでくる。

『うん…ごめん大丈夫。』

窓の外の綺麗な朝焼けは俺の見た悪夢は本当に夢だったと教えてくれているみたいに穏やかだった。

『ごめんちょっと嫌な夢を見て…』

『疲れてんだろうな…まぁこれでも飲めよ。』

そう言って差し出された水に口をつける。


買ったばかりなのだろうか?ひんやりしていて気持ちよかった。