フェンス


『今まで色々トラブルが重なってまだ説明できてないの!ごめん……』

母さんの焦った声が携帯の向こうから聞こえる。

『しゃぁねぇな。俺が説明してやるよ。』

春斗は足元にあったスーツケースからシャーペンとノートを取り出し計画の説明をはじめた。

『どっから説明すりゃいいんだ?』

『えっと…』

戸惑う俺に秋斗さんが問いかけだした。

『この世界の事はしってるだろ?』

『うん。』

『時間のズレも、現実世界の事も、知ってるよな?』

『うん…』

『ほんなら、後はこれからどう動けばいいかだな。』