秋斗という少年がトラックの助手席を開け乗り込むように叫んだ。
俺と少年は慌てて乗り込みドアを閉める。
秋斗さんは俺達が乗り込んだのを確認するとアクセルを踏みスピードをあげて一気に外に繋がる橋をわたった。
『いやぁ―…助かったよ秋斗。』
少年が笑顔で秋斗さんに話かける。
『ったく…無茶しすぎなんだよ、おめぇは…とりあえずどっかで傷の手当てしねぇとなぁ。』
ため息まじりでそう話す秋斗さんをみて俺は驚きを隠せなかった。
秋斗さんは少年の髪を黒くしただけで後は少年にそっくりだったんだ。
『…!?双子!?』
『あぁ…そうそう。改めまして。春斗です。』
『あ…俺は秋斗です。よろしく。』
『春斗さん………!?』
(春斗さんって確か…涼を助けてくれた人…)
『んっ?どうした?』
『あのっ…こっ…これ!!』
俺は慌ててあの箱を取り出し春斗さんに渡す。
『おっ!!でかした。涼…ちゃんと伝えてくれたんだ。』
春斗さんは満面の笑みを浮かべ俺の頭をくしゃくしゃっと力強く撫でた。
