イヤホンをつけた途端。 涼が何かを叫んでいるのがわかった。 『裕!後ろ―…』 涼の声と共に右足にチクッと何かが刺さった。 倒れぎわに振り向いた俺の目には、俺と同時に足を押さえて倒れていく真奈の姿とさっきの門番がこっちに向かって笑いながら銃を向けている様子だった。 俺…撃たれたのか? 満身創痍でそれさえ判断が付かない。 もうかれこれ1週間は眠っていない俺の体はいうことをきかずそのまま地面に倒れ込んだ。 遠のく意識の中で慌てている涼の声が聞こえた。