『裕…私の鏡台まだ置いてある?』 『鏡台?母さんの部屋にまだおいてあるよ。』 『そう。良かった。私の鏡台の真ん中のロックナンバーのついた引き出し…綾紀さんの誕生日で開くようになってるんだけど何月何日か覚えてる?』 『10月25日?』 『そうよ。開けてみて。』 『ちょっと待って。母さんの部屋に行くから…』 そう言うと俺は自分の部屋を出て母さんの部屋にむかった。 母さんの部屋には母さんが死んでから一度も入ってなかった。 久しぶりに入ると少し懐かしい香りと埃っぽい空気に包まれた。