『裕君だったかな…?俺は君が羨ましいよ。死ぬってわかった時にみんなが泣いてくれる…それだけ真っ当に歩んで来たんだね…。
俺は君の倍以上生きてきたのに泣いてくれる人なんて1人もいない…それどころか恨まれながら死んでいくんだ。
どこで間違えてしまったんだろう―…
本当に最低だ……』
目に涙をため少し上を向く姿は陣野が初めて見せた人間らしい一面だった。
そして―…
陣野は咳払いをすると画面の矢印をログアウトに合わせる。
『時間ももうないだろう…そろそろログアウトしようか。』
『……うん。』
俺は小さく微笑んで親父に最後の一言を託す。
