『今の初期化が進行している身体では何も出来ない…』
秋斗さんは親父を押しのけ陣野に掴みかかり押し倒すと何発も顔面を殴った。
『秋斗君!』
親父は陣野から秋斗さんを引き離した。
『離せっ!離せよ……』
秋斗さんの目から一気に涙が流れ落ちる。
『秋斗さん。もう…いいよ。
辛い思いさせて…ごめん…。
でも俺さぁ…後悔はしてないよ。
…精一杯戦って…こんなにも大切な人達に出会って…今こうしてその人達を守れるんだから…。
本当はさ…世界なんてどうでもいいんだ…俺が守りたいのはみんなの笑顔だから…
だから…ねっ…秋斗さんも…いつもみたいに余裕な表情で笑っていてよ。
俺が後悔しないように………ずっと笑っててよ。』
秋斗さんは全身の力が抜けたようにその場に座りこみ…止めどなく溢れる涙を必死に拭った。
