フェンス

『…涼ォォォ!』

春斗が涼に駆け寄っていく。

『……涼…』

ボソッと呟いた俺の声が聞こえたのか春斗が振り返る。

『裕…?いるのか?』

『はる…』

俺は春斗の名前を呼ぼうとした時、小さく響く秒針の音に気づきあたりを見回す。

すると、ドアの下に四角いさ小さなタイマーつきの箱があった。

…―カチッ。

……2:59

…―カチッ。

……2:58

…―カチッ。

……2:57

(これって…もしかして…)

『…春斗…涼を頼む。』