『やった……持ちこたえたぞ!』

遠くから親父の声がきこえる。

『なんだと!?何かの間違いだ…そんな事あるわけない。』

陣野は少し取り乱した後また笑い出す。

『ふっ…あははっ…まぁいい…すぐに初期化が始まるさ。』

『…成功…したのか?』

俺は周りを見渡しガラスに写る自分の姿に目をやった。

そこには銀色の丸いボールのような形をした俺がいた。

『これが…俺…?これが…現実世界…?』