「十和」

そう優しくつぶやいてふわっと抱きしめてくれた。


「空先輩っ…怖かった…。」


「分かったから。もう俺がついてるし。こんな目には、二度と会わせねえから、十和も、何かあったら、すぐ俺に言えよな。」


「うん。」


あたしの震えが止まるまで優しくポンポンってしながら抱きしめてくれた空先輩のことを、かっこよくて優しい私にとっての正義のヒーローに思えた。