一人部屋に残された仁は、床をじっと見つめていた。

―俺は、最低な奴だな。唯も護れず、新一にあたって…

仁は自嘲気味に笑うと、自分の頬を叩いた

「よっしゃー!!犯人見つけてぶっ潰してやる!!!」

新一は、ドア越しでその言葉を聞き、口元を少し緩ませ

「よし、僕も頑張るかな」

小さく気合いを入れた


唯は仁に運ばれ、今、知り合いの医者のベッドに横になっていた

「……」

珍しく真面目な面持ちで、天井を見上げていた

まだズキズキと痛むが、我慢できる程度までに治まっていた

「ふう…」

ため息をついたあと、携帯で早雪に電話を掛けた。正確には自分の家の電話だが

あの調子だと心配はしていないとは思うが、もししていたらいけないと思ったからだ。