慌しい朝。
私はバスケのユニフォームを急いでバックにしまい込む。

「由香、ジャスティン君と学校に一緒に行って、事務所まで案内してあげて」

「・・うん、わかった・・」

人の顔見て赤鬼なんて言う奴にやさしくできるかな?

そんな事を思っているとタンクトップとパジャマズボンという
格好でアイツが降りてきた。

長い手足についた程よい筋肉についつい私もおかあさんも見とれてしまった。

「おかあさん、おはよ・ござます」と言って頬に軽い挨拶のキス。

おかあさんも満更じゃないらしく満面の笑みで「おはようございます」
と発音をな直しがてらのあいさつ。

「由香おはようご・・・・・・」

「おはよーーーー」とアイツが言い終わる前に馬鹿みたいな大きな声で挨拶。
 
いくら軽い挨拶のキスでもされたら純日本人の私としてはどうしていいかわからなく
なるよ。


目も見れずにいる私は朝食を夢中で食べるふり。

ふと目を上げるとそこには

制服姿のジャスティンが立っていた。

「食べ終わった?由香?」

昨日から気になってたけど、いきなり呼び捨てもドキドキものだよね。


「・・・うん。おかあさんいってきます。」
「バーィおかあさん。」


「いってらっしゃーい。由香はバスケのユニフォーム持ったの?」


そのとき驚いた顔で私を見たジャスティン。
「何?」
「NOTHING・・・・なんでもないよ。」

一歩外に出ると皆がアイツを見てるのがわかる。

ジャスティンが制服を着るとそれはどんな流行の服よりも彼の
長所を引き立たせる道具にしかならない。

ボーとして歩いていると
私の腕をとり道路の内側へと導く。
それは押し付けがましくなく、自然にそしてやさしく。
アイツをこっそりのぞくとなんて事ない顔で歩いている。

触れられた腕が熱くなってるなんて事も知らずに・・・・。