ミコが恥ずかしそうに口を開く。

「キスを・・・・。
キスを・・・キスをヒロ君としたい・・・。」


ミコは自分の気持ちを私にぶつけてくる。

    
    ストレートパス。


私のおじいちゃんはメキシカンで、
家では挨拶代わりに
キスをする。

それが親愛のしるしだし、
おかしい事でもなんでもない。

でもヒロ君は本当に純日本人でちょっとのハグでも
しようものなら恥ずかしがって相手にしてくれない。

付き合って半年。
ヒロ君の事を知れば知るほど
好きになってる。

「この間いい感じだったんだけど
ヒロ君、おどけるからいい雰囲気が
どっかに飛んでいったよ・・・。」


ミコがちょっと淋しそうに笑う。


「ミコから言ってみたら。」



「えっ?」



「だから、ミコから’ヒロ君が大好きだからキスしたい’
って言ってみたら?!」


だって本当の素直なきもちでしょ?ミコ。