「まったくめんどくさーい!!!」
私は遼に八つ当たりしながら荷物を運びだしていた。
私の悪態に慣れているのか遼はまったく気にせず、
「俺はアメリカにいたなんて全然覚えてないぜ」
「あんたまだ小さかったし、私だって後から写真見て思い出すくらいだからね。」
「俺はちょっと楽しみだな。兄貴がほしかったし、由香ねえの部屋の方が日当たりいいしね」
弟よ、あんたなんだかウキウキしてるじゃん。
「由香ねえ、ジャスティンってどんな人かな?」
実は私も凄く、凄く気になってた。
写真のジャスティンは、きりっとした顔で、男の子なのにおかっぱみたいな髪をしてて、
お母さんの後ろにいつも隠れてた。
いつもおばさんが言ってたっけ「由香ちゃんと遊ぶと本当に楽しそう。」
後こんなことも「由香ちゃんの事大好きだから結婚するって言ってたわよ。」
顔を真っ赤にしたジャスティンが下をむいてた。
私の中のアイツはあれから何年たっても小さな男の子だった・・・・・・。