家までの帰り道
手をつないで
歩いた。

「由香、キスは初めて?」

顔をのぞき込まれる。

「そうだよ・・・。悪い?」

何だかキスが下手な事を
指摘されたようで
ちょっとムカついた。

きっとアイツは慣れてるんだ・・。

生まれも育ちもアメリカだもんね・・・。


「オレも初めて」

ええ?・・・

「両親が日本人だから
あまりキスの習慣もないし
オレ自身も馴染みがないんだ」


そんなもんなんだ・・・。

「そりゃ挨拶程度はあるけど」


私たち何度かキスの
チャンスがあったよね。


「ずっと前から由香と
キスをするって決めていたんだ」

ええ?・・・・

「いつから?」

「10年ぶりの再会の日から」

あんなに強くて
赤鬼みたいな子が
こんなに可愛くて
眩しくなってたから
目が離せなかった。


電信柱の灯りの下で

二人立ち止まる。

だって家に入ったら

キスできないもん。

ジャスティンは私の腰に

私はジャスティンの首に


手を回した・・・・。